最近完結した「イムリ」。
何十周したかも思い出せないほど読んできたのに、読み返すたびに細かい設定がそこら中に落ちていることに気付いてしまった。
なんという漫画を描いてしまったんだ三宅乱丈さん…
イムリにハマってすぐ色々調べまくってた時、過去のインタビューか何かでイムリは「自由とその代償」をテーマにしていると話していて、連載が始まる前にはものすごい量の緻密な設定書を書いていたそう。
浦沢直樹の漫勉という番組で三宅乱丈特集をしていたのを見た時に少しだけその設定書を映していて、その分厚さと中の字の細かさにびっくり。
絶対100ページ以上あるのにそのサイズの文字はおかしい!というくらい小さな文字がびっしり。
そこにはしっかりと1巻で登場するポンチョの設定も書いてあって鳥肌モノでした。
何度読んでも新しい発見がある漫画イムリを読み返した感想を書いていこうと思います!
「イムリ」あらすじ
ルーンとマージという2つの星、そこで暮らす民族カーマ・イコル・イムリ。
この3つの民族間で戦争が起きて、その時戦いに勝利したのは「カーマ」。
戦いの最後、「カーマ」は「イムリ」がたくさん住むルーン星を凍らせてマージ星に移住した。
ーそれから4000年後ー
マージ星でカーマとして育ったデュルクはカーマの中でもエリートな階級「呪師」になるべく学校に通いはじめ、ついにルーン星に研修旅行に行くことになる。
研修旅行の目的はイムリが大昔に兵器として使っていた「イムリの道具」を探すこと。
この研修旅行がきっかけでデュルクの人生は大きく動き出すことに。
カーマに従い呪師としての道を歩むのかそれとも…
↓↓ここから先は最終巻まで読んだあとの感想になりますのでネタバレ注意!
「イムリ」感想
物語自体はSFなので文化も違えば登場するものも全部斬新でとっつきにくかったです。
ただ、この世界で生きている人たちの考え方があまりにもリアルで、思わず感情移入しながら読んでしまうような場面がたくさんありました。
ある特定のキャラクターの気持ちに共感するとかではなく、登場人物一人ひとりの過去を知った時にこの人がそういう考え方になるのも分かる。
だからこそ、それぞれの境遇を思うと誰も憎めなかったり、その分物語がサクサク進まないところももちろんあって、思いが伝わらずすれ違ったり、伝達ミスで敵が来てしまったり、いいタイミングで問題が解決することはあまりない作品です。
だからこそ現実世界の自分の考え方や他人との接し方を考えさせられる漫画でもあって最後まで飽きることなく追いかけられたんだと思います。
序盤から後半までずーっと苦しくて悲しい展開が続いたのに、ラルドから始まった希望の光は常に誰かの心の中にあって、デュルクにあんな事が起きてからも最後の夢でミューバに光を繋げられたから皆が呪縛から解放されたのは、三宅さんすごいの一言に尽きますね。
絵のタッチもどんどん線が少なくなって圧倒的に読みやすく表情も豊かになったから、最後のチムリとミューバのシーンもめちゃくちゃ泣けました。
噂によると、途中からアナログからデジタルな執筆環境に変えたそうです。
最後の最後で最終話のタイトルが光の虫、まさか光の虫に今更焦点が当たるなんて思わなかったけど、1巻を読み直したら1話のはじまりが光の虫が生まれて飛び回るところでしたもんね!
色々考えながら読み返すの楽しいです。
もし光の虫で物語終わらすと決めて、初めに虫のシーン描いたとしたら震えるしかない…100%こじつけですけど(笑)
デュルクと出会ったばかりの時に本当は生物学者になりたいんだ!と言っていたガヴィドが夢を叶えたとか、船の溶接機がいい味出してたりとか。
個人的にはイムリ連載中に、前の職場(ブラック企業)で人手も足りず仕事に追われていても思考停止して踏ん張ってた時期があって、カーマの中で生きることを選んだラルドに感情移入して泣いたりしてました。
結局あることがきっかけでやめざるを得なくなったんですけど、戦いの最中でもデュルクの頑張りに力をもらったり、気持ちが折れそうになった時にたくさんの言葉をもらいました。
イムリを知ることができて、本当に良かったです。
おしまい
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