14年間の連載を終えて、今日最終巻が発売された『イムリ』。
さっき最終巻を読み終えて、本当にいい作品だったなぁと思いながら、しみじみとお茶を飲んでます。
「イムリ」との出会い
私が初めてイムリを知ったきっかけは、今から6年前に新しい漫画を探してて見つけたブログ記事でした。
50選の漫画紹介の最後の最後に出てきた浅黒い男性の表紙。
正直その表紙を見た段階では購入する予定はなかったんですが、
ただキャッチコピーにたまらなく惹かれました。
悲しみと痛みに満ちたその世界で少年は、自らの宿命に挑む旅に出るーーー。
出典ーイムリ1巻 帯キャッチコピーーより
気になる、ものすごく良さそう。
ひとつ不安なことは、表紙を見た感じ絵柄がとてもリアルそうだということ。
その頃は少女漫画や少年漫画ばかり読んでいたのでリアルな絵柄に耐性がなく、
買ったは良いけど最後まで読めなかったら嫌なので、買うかどうかめちゃくちゃ迷ったんですよね。
イムリで検索したけどあらすじくらいしか出てこないし、どんな話なのかも全くわからなかったからもうパニック。
そんなマイナーの極みみたいな作品なのに、
- 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞受賞
- ダ・ヴィンチ「絶対はずさない!プラチナ本」選出
- これも学習漫画だ! 【生命と世界】カテゴリ選出
全然聞いたこともない賞だけどこんなん絶対おもしろいじゃん!!
その時電子書籍に興味を持ち始めたところだったので、やっと試し読みの存在に気づきました。
とりあえず10ページ。
…話がわからなさすぎて笑った、どういう事(笑)
開始数ページで説明文の大行列からの、
先輩のような人が謎の技をかけ始め、大混乱。
絵柄も雰囲気も独特すぎるイムリにものすごく興味が湧いてきました。
とりあえず5巻だけ。読んでみよう。
私の中で次巻へ続くが気になるところで終わる漫画ダントツの1位。
5巻の続きが気になりすぎて、一気に最新巻まで買って読みふけりました。
救いようのない展開がどんな終わりを迎えるのか、ただそれが知りたかったんです。
今日やっと、6年間追いかけ続けた作品が完結しました。
「イムリ」あらすじ
世界観が複雑すぎるので、なるべく簡潔に説明…できたらいいなぁ
舞台は2つの星、マージとルーン
ここには3つの民族(カーマ、イコル、イムリ)が暮らしてる
カーマ
4000年前の戦争で勝利した民族。人々を侵犯術(名前を知ることで相手を思い通りに操ることができる力)で支配することができる
イコルを奴隷として使役している
イコル
名前を持たず、イコルという民族名でまとめて呼ばれている
カーマの奴隷として自由を奪われ、雑用や身の回りの世話などをさせられている
髪が生えると奴隷の手入れが面倒だという理由で頭皮を焼かれているのでイコルは皆髪がない
イムリ
自然と仲良くすることで暮らしを豊かにしている、どこかの方言のような言葉で話す人が多い
名前は大切なものなので、簡単には教えたがらない
イムリの子は双児で生まれ、相方のことを片われという
双児は相手の夢を見ることができるので、ピンチの時やなにかがあった時は夢で知らせることができる
始まり
マージ星で育ったお坊ちゃんのデュルクはカーマの中でも位の高い役職【呪師】になるため学校に通っていた
父親が呪師なので将来有望なエリートとして歴史や奴隷の作り方など色々なことを学びながら、イムリが住むというルーンに研修旅行に行くことに
そこで出会ったのは自分の顔とよく似た女の子ミューバ
新しい経験を経て自分の考えを持つようになったデュルクはどんな未来を選ぶのか
「イムリ」の見どころ
3つの人種(カーマ、イムリ、イコル)の関係性が少しずつ明らかになっていく様子
人間の醜い争いや純粋な気持ちを丁寧に描いている
少しずつ謎が解き明かされていった時、あのセリフはここに繋がってるのか…って気づいた時の感動
連載を始める前に綿密に練られた設定書を作っているので、あとから話がごちゃごちゃになることはない
絵がどんどん見やすくなっていく
心震える名言の数々と見事としか言いようがない伏線回収
最終巻では序盤の超重要シーンの伏線を回収してきてめちゃくちゃ泣いた
独断と偏見で選んだ「イムリ」名シーン3選
11巻 第63話 高貴な民
カーマ以外の民族を見下していたけど、自分の今までの行いや考え方に対して疑問を持ち奴隷を使わずに泣きながら女の子の髪を染めるシーン。
ちなみに私の1番好きなキャラはこのシーンに出てくるヴィテジです。
19巻 第115話 凍った洞窟
大切なものを失った痛み、それでも前に進まないといけない焦りと憎しみ、広い洞窟での絶妙な距離感が切なさを倍増させます。
5巻 第29話 合
言われたことに何の疑問も持たず生きてきた主人公が「本当の心」を知り、初めて自分の考えを打ち明ける重要な一コマ
「イムリ」まとめ
全26巻の壮大なダークファンタジーSF漫画。
キャラクター達の過去を通して、善悪では語れない感情の移り変わりを見ることができます。
私が今まで読んだ中で最もおすすめしにくくて最もおすすめしたいこの作品、気になった人は是非読んでください。
おしまい
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